鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>を絶対に見逃せない3つの理由
- 2020.01.19
- コラム

2019年11月13日。
東京都内で鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>の製作記者会見が行われました。
佐渡を拠点に世界で活躍する太鼓芸能集団 鼓童とシルク・ドゥ・ソレイユ「トーテム」や「KA」、演劇超大作「HIROSHIMA 太田川七つの流れ」など世界の舞台芸術を牽引するカナダ人演出家 ロベール・ルパージュ氏とコラボレートすることを発表しました。
ロベール・ルパージュを演出監督に「音を見る」をテーマにした「新・視聴体感芸術」を鼓童の和太鼓演奏で表現します。
今回の公演タイトルである「NOVA」とは天文学で「新星」を意味しています。
NOVAのテーマは「サイマティクス」-音波によって物体を振動させること。音の可視化-であり、世界のあらゆる場所に存在する「音」を表現することができたら面白いと思い今回の公演のテーマにしたとロベール・ルパージュ氏は語っています。
音を見ろ。音を見たことはあるか。音が動きだす瞬間を見たことはあるか。伝統とテクノロジーの化学反応が固定概念をくつがえす。音は見えない。だから無限の世界が見えてくる。太鼓と創造力がつくりだす、新・視聴体感芸術〈ノーヴァ〉
鼓童にとって新しい舞台表現となるであろう鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>公演を絶対に観たほうがいい3つの理由を紹介します 。
理由① 世界最高峰の舞台演出家ロベール・ルパージュが手掛ける「和太鼓の世界」

世界最高峰の舞台の1つ「シルク・ドゥ・ソレイユ」の舞台演出を手掛けるロベール・ルパージュと日本が世界に誇る太鼓芸能集団 鼓童とコラボレートします。
今回のコラボレートは言葉の意味通り世界最高峰の舞台芸術と世界最高峰の舞台演出家によって生み出され、前代未聞のコラボ公演となります。
公演をするにあたってロベール・ルパージュ氏は鼓童とのコラボレートに対して、「物語を紡ぎたい」と語りました。また、公演のテーマは「創造や誕生」と述べています。そして、鼓童の魅力については「厳しさと規律に身を置きながら鍛錬されている集団。サーカスやオペラもそうですが、自然を超越してしまうような瞬間のあるステージだと思います」と語っています。
和太鼓は打ち手の感情もダイレクトに反映させる楽器です。シンプルな楽器でありながらも繊細で細かな表現も可能で、和太鼓奏者は太鼓の音でありとあらゆる音世界を作り出します。
そんな音世界を観客は音の響きや振動を肌で体験し、目に見えない音を体験することができます。今回はその目に見えない音をロベール・ルパージュ氏の魔術によって視覚化されます。
和太鼓の持つエネルギーを「見る」ことは後にも先にも無い貴重な体験となり、世界初の視覚体験ができる公演となります。
▶ロベール・ルパージュ
ロベール・ルパージュはカナダのケイベック州出身の演出家・脚本家です。「魔術師」の異名を持ち、映像や最新テクノロジーを使用した演出が特徴です。
シルク・ドゥ・ソレイユで「KA」「トーテム」や舞台作品「ドラゴンズ・トリロジー」の演出を行い世界で称賛を浴びています。
日本でも過去に数回公演を行っています。1995年「ヒロシマ―太田川七つの流れ」、2002年「月の向こう側」、2006年「アンデルセン・プロジェクト」、2010年「ブルードラゴン」、2015年「Needles and Opium 針とアヘン ~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~」、2016年「887」など日本で多くの公演を行っています。
▶鼓童
鼓童は1981年に佐渡にて結成された和太鼓団体です。ベルリン芸術祭でデビューし、これまでに50ヵ国で6,500回以上の公演を行っています。
「鼓童 ワン・アースツアー」で世界中を周り、和太鼓を中心とした日本芸能を舞台芸術へと昇華させ、世界各国で称賛されています。
歌舞伎役者「坂東玉三郎」を演出家に2006年「アマテラス」、2017年「幽玄」や鼓童メンバー演出による2018年「巡-MEGRU-」を上演しています。2020年には「巴」を公演予定です。
また、2011年に「ブルーマン×鼓童」公演、2017年、2018年には「初音ミク×鼓童」公演と異ジャンルとの共演も積極的に行っており、常に新しい舞台芸術の創造をし続けています。
理由② 和太鼓とテクノロジーの融合

NOVAのテーマは「サイマティクス」です。
サイマティクスとは砂や水などの媒質によって物体の振動や音を可視化させることを意味します。今回の公演ではサイマティクスのテクノロジーを使うため、プロジェクションマッピングではなく、太鼓の音に合わせて、打ち手の生のリズムにテクノロジーが反応します。
「振動」「リズム」「ビート」は音楽の概念に密接に関わる要素で、サイマティクスにおいても重要な要素となります。普段目にする形状や形式の中には「音の世界」が存在しています。
NOVAでは日本の伝統楽器である和太鼓と、最先端のテクノロジーを掛け合わせることで、響きや体を震わせる音の波によって生まれた目に見えない世界を表現します。
初めて鼓童と会った時、彼らは『視覚的な表現』を追求しようとしている印象を受けました。それは至って当然のことですよね。なぜなら、彼らは『響き』や『音楽』に強いこだわりを持つパフォーマーだからです。視覚的な表現を我がものにできるようになれば、それはとても素晴らしいことだと思います。
NOVAインタビュー
理由③ 「音を見る」という視聴体感芸術を味わえる
「音を見る」とは何か、ロベール・ルパージュはインタビューでこう語っています。
サイマティクスの理論によれば、私達が目にするあらゆる形状や形式の中に「世界」が存在するということ。肉体さえも「音」によって形づくられるということになります。かつてビッグバンが起こった瞬間、宇宙には自由に移動する無数の細胞や分子がありました。
それらの粒子はやがて、さまざまな形状や形式を取りながら一つにまとまりました。なぜなら、ビッグバンの爆発音には、あらゆる周波数、振動、そして音符が含まれていたからです。
これを表現できたら面白いのではないかと思いました。鼓童のパフォーマンスを目の当たりにすると、圧倒的な振動や響きを体感します。パフォーマンスを繰り広げられると、観客のほうも変わっていく。私はこの作品を通して、魂、心、精神、身体、そしてこの世界の形状や形式のどれもが、音や振動、リズムによって変化してしまうということを表現しようとしました。
NOVAインタビュー
今回の公演では五感を通じて音の持つエネルギーを体験することになります。そして、その体験するのは私たち視聴者だけでなく演者である鼓童メンバーも同じです。
今回の公演に対して鼓童メンバー「小平誠一」「鶴見龍馬」「北林玲央」の公演に対してのインタビュー動画も公開されています。
「音を見る」という体験に対して鼓童メンバーによるコメントは本公演の世界観を想像させてくれます。
新しい表現への挑戦は私達をワクワクさせてくれます。それは演者も同じで、私達と同じようにワクワクしていることが伺えます。
NOVAは演者も観客もロベール・ルパージュによって「音の世界」を体験することができます。5月14日~9月26日までの公演となります。お見逃しの無いようにスケジュールの調整をオススメします。
イベント詳細

本公演は2020年5月14日(木)、16日(土)に横須賀芸術劇場で開催されるプレビュー公演から 2020年9月26日(土) フェニーチェ堺 大ホール まで4ヶ月近く上演します。
プレビュー公演含めて全9箇所24公演のため、お見逃しがないようにご注意ください。
イベントの詳細は「 NOVA|太鼓と創造力がつくりだす、新・視聴体感芸術〈ノーヴァ〉」でチェック!!
【公演スケジュール】
- 2020年5月14日(木)、16日(土)※プレビュー公演
神奈川県 横須賀芸術劇場 - 2020年2020年5月23日(土)~31日(日)
東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) - 2020年6月7日(日)
熊本県 熊本県立劇場 演劇ホール - 2020年7月10日(金)~12日(日)
新潟県 新潟県民会館 大ホール - 2020年7月25日(土)
山形県 やまぎんホール(山形県県民会館)大ホール - 2020年9月3日(木)~6日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 - 2020年9月11日(金)~13日(日)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール - 2020年9月19日(土)
神奈川県 厚木市文化会館 大ホール - 2020年9月26日(土)
大阪府 フェニーチェ堺 大ホール
演出:ロベール・ルパージュ
出演:鼓童
- 石塚 充(Mitsuru Ishizuka)
- 中込 健太(Kenta Nakagome)
- 草 洋介(Yosuke Kusa)
- 住吉 佑太(Yuta Sumiyoshi)
- 鶴見 龍馬(Ryoma Tsurumi)
- 米山 水木(Mizuki Yoneyama)
- 大塚 勇渡(Hayato Otsuka)
- 三浦 友恵(Tomoe Miura)
- 北林 玲央(Reo Kitabayashi)
- 小平 一誠(Issei Kohira)
- 渡辺 ちひろ(Chihiro Watanabe)
- 小野田 太陽(Taiyo Onoda)
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