ローランドの電子和太鼓「TAIKO-1」和太鼓の新しい表現への挑戦

ローランドの電子和太鼓「TAIKO-1」和太鼓の新しい表現への挑戦

TAIKO-1について

日本の大手電子楽器メーカーローランドが日本が世界に誇る和太鼓団体「太鼓芸能集団 鼓童」と共同で開発した電子和太鼓「TAIKO-1」を2月7日に発表しました。2017年に試作機を発表し、今回販売されるTAIKO-1は3代目電子和太鼓となります。

長胴太鼓(宮太鼓)、締太鼓、大太鼓、平胴太鼓、桶胴太鼓など伝統的な和太鼓の音をはじめ、他のパーカッションなどの音色を100種類以上内臓します。

担ぎ桶太鼓をベースに制作されたTAIKO-1は太鼓を肩から担いで演奏が可能です。また、長胴太鼓のように据え置きでも演奏可能です。さらにデモンストレーションでは締太鼓のように打つことも可能であることを実演しています。

USBメモリでオーディオファイルを取り込んだり、音を重ねて新しい音を作ることも可能です。バチの違いによる音色もの差も再現可能で、和太鼓の持つ繊細で緻密な音表現も実現可能です。

Bluetoothでスマートフォンと接続することでオーディオを送受信できる。MIDI over Bluetooth機能も付属しています。USB経由でのMDMI接続も可能です。

スピーカーは内蔵されていないため、音を出力するにはヘッドホンか外部スピーカーに接続することが必要になります。ヘッドホンに接続することでどこでも和太鼓の稽古をすることが可能になります。

和太鼓は音が大きく演奏する場所が限られるため満足に練習する場所を探すのが大変であるという問題があります。しかし、TAIKO-1は音問題を解消する可能性を秘めています。まさに和太鼓の未来を広げる楽器なのです。

TAIKO-1は重量4.5キロと従来の和太鼓と比較してかなり軽量です。さらに分解して持ち運びが可能です。それによりサイズの大きい和太鼓を気軽に持ち運んで演奏を楽しむことができます。面の強度も高く、「力いっぱい叩いても問題ない」という開発者のコメントから分かるように従来の和太鼓に限りなく近い演奏が可能になります。

一定のリズムを崩さずに打ち続ける基礎的な演奏技術「地打ち」のフレーズを収録しているため、初心者から上級者までの基礎練習がTAIKO-1で可能になります。多彩な音色を自由に使うことができるため幅広い表現が一台で可能です。

サイズは430(幅)×430(奥行)×521(高さ)ミリとコンパクトで、分解できるため狭い会場でも持ち運びが可能でどこでも演奏できるようになります。スピーカーの音量をコントロールすることで音問題で演奏が難しかった会場でも和太鼓の音を楽しむことができます。

単三形の充電式電池が8本付属し、フル充電後に約5時間駆動します。そのため、フル充電であれば十分に演奏が可能です。

初年度の販売予定台数は1000台です。確実に手に入れたい方はローランドからの続報を待ちましょう。

TAIKO-1

商品名:電子和太鼓「TAIKO-1」
企業名:ローランド
価 格:14万2000円前後
発売日:2020年夏予定
※2020年2月時点
https://www.roland.com/jp/products/taiko-1/
https://www.roland.com/jp/promos/roland_taiko/

・TAIKO-1の特徴

  • 桶胴太鼓、長胴太鼓、締太鼓など、1台でさまざまな種類の太鼓を演奏可能。
  • 打点位置検出機能により、太鼓に欠かせない幅広い音色変化を実現。
  • 1.5尺の担ぎ桶胴太鼓と同等の、直径約35cmの専用3層メッシュ・ヘッドを採用。自然な叩き心地と高い静粛性を両立。
  • 重量は一般的な担ぎ桶胴太鼓と同等の約4.5Kg。分解しての持ち運びも可能。
  • USBメモリー経由でオーディオ・ファイルを本体に取り込み、演奏することが可能。
  • 単3形充電式ニッケル水素電池8本で、約5時間の駆動が可能。
  • 練習やアンサンブルにも使える「地打ち」フレーズを収録。
  • スマートフォンなどと無線接続できるBluetooth®機能を搭載。

表現の可能性について

ローランドは日本の伝統楽器である和太鼓は音が大きいことや練習場所が限られること、メンテナンスが大変であるという様々な要因が和太鼓奏者の減少に繋がっていることに注目したローランドは、和太鼓奏者に快適な練習環境を、と考えて開発を始めたと言われています。

完成したTAIKO-1は練習用の機器に収まらず和太鼓の表現に新しい風を吹かせる可能性を秘めて世に生まれました。

・音色紹介

様々な音色を搭載しているためTAIKO-1だけで多数の音を操ることができます。従来の和太鼓ではできなかった音表現が可能となるため、和太鼓奏者の演奏表現幅は広がっていきます。
 

・演奏動画「担ぎ桶太鼓」

電子和太鼓は従来の和太鼓に近い音表現が可能となります。ローランドが上げている演奏動画を見ると和太鼓の持つシンプルな構造からは考えられないほど豪快でありながらも繊細で表情豊かな音表現を実現しています。

・担ぎ桶太鼓「独奏」

・大太鼓「伏せ打ち」

・合奏 大平太鼓<竹バチ>/長胴太鼓「伏せ打ち」/「担ぎ」

・ローランド 電子和太鼓 TAIKO-1 合奏 締め太鼓 「座奏」

和太鼓は比較的高価な楽器であるため、音表現において様々なハードルがある楽器でもありますが、TAIKO-1は1台で100種類以上の音を出すことができます。そのため和太鼓団体にとって表現の中で欲しかった音を使用することができるようになります。

さらに和太鼓だけでなく人の声や別の打楽器の音、サンプリングした別の音など活用方法は無限にあるため、全く新しい音表現ができるため、創作の幅が広がることが予想されます。

TAIKO-1は和太鼓にとって新しい表現をもたらすカギとなる可能性があると筆者は思ってます。

まとめ:新しい和太鼓の世界

電子和太鼓によって和太鼓界隈は大きな変化が起こると考えられます。今まで和太鼓を使用してこなかったアーティストも気軽に和太鼓の音を利用することができるようになります。また、今まで和太鼓が介入してこなかったジャンルにも和太鼓の音が入る可能性も考えられます。

電子和太鼓「TAIKO-1」は和太鼓を練習するようの楽器には収まらず、和太鼓の表現幅を大きく広げるきっかけとなると考えられます。

演奏動画で上げられている活用方法以外の方法も新たに生まれると思われます。筆者もまたその一員として電子和太鼓「TAIKO-1」で新しい音表現を試みたいと思っています。

新しい和太鼓の音世界を楽しみに2020年夏を待ちましょう!

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